記事のポイント
- 米グーグルの25年度GHG排出量は、前期から18%増となった
- 特に同社排出量の約8割を占めるスコープが前期から25%増と大幅に増えた
- AI需要への対応と脱炭素化を両立する難しさが浮き彫りになった形だ
米グーグルの2025年度のGHG排出量は、前年比18%増(2019年度比では62%増)の1450万トン(CO2換算)となった。排出量の約8割を占めるのが、サプライチェーンでの排出量を示す「スコープ3」だ。データセンターなどのAIインフラの拡大と、化石燃料への依存度が高いアジア・太平洋地域のサプライヤーによる排出増で、スコープ3排出量は前年から25%増えた。AI需要への対応と脱炭素化を両立することの難しさが浮き彫りになった形だ。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

米グーグルは6月30日、最新の「環境レポート2026」を公開した。
それによると、2025年度の同社の電力消費量は、AIモデルの高度化とデータセンター急拡大により、前期から37%増と記録的な伸びを見せた。そのような中で、スコープ1および2の排出量を2%削減し、電力消費量の100%を再エネの購入で賄うことに成功したという。
その一方で、同社の排出量の約8割を占めるスコープ3排出量は、前期から25%増と大幅に増加した。
グーグルは、2030年までにデータセンターを含む事業全体をカーボンフリーエネルギーのみで24時間365日稼働させるという、野心的な気候目標「ムーンショット」を掲げ、2030年のネットゼロ達成を目指す。
しかしレポートの中で、同社最高サステナビリティ責任者(CSO)のケイト・ブラント氏は「気候目標の達成はますます困難になっている」とコメントし、AI需要への対応と気候目標の達成を両立することの難しさを認めた。
「気候変動対策の目標達成への道のりは、必ずしも直線的ではないだろう。なぜなら現在、AIインフラの整備が、電力網の脱炭素化のペースを上回る速さで進んでいるからだ。しかし、私たちは引き続き、世界中で豊富かつ手頃な価格のクリーン電力の普及拡大に注力するとともに、自社の事業活動および業界全体における排出量を削減する技術革新を推進していく」(ブラントCSO)
■電力使用量が急増する中でもスコープ1・2の排出量は減った
■化石燃料依存のアジア太平洋地域がスコープ3削減の足かせに
■AIを活用した環境貢献や気候変動適応策の事例も示す

