夕食のおかずや居酒屋でのつまみとして庶民に親しまれてきた魚、ホッケの不漁が深刻化し、さまざまな形でメディアによって取り上げられるようになった。ホッケは「大衆魚」などと呼ばれ、過去には水族館で飼育される動物のえさにもなっていたのだが、供給量の減少によって価格が上昇し、えさとして使うことなど困難になりつつある。居酒屋でも、かなりのお金を払わないと食べられない魚となり、出てくる魚も一昔前に比べたら驚くほど小さくなっている。(井田 徹治)
なぜ、ホッケはこんなに高価な魚になってしまったのか。その大きな理由はご多分に漏れず乱獲だ。
水産総合研究センターの最新の資源評価によると「根室海峡・道東・日高・胆振」、「道北」、「道南」の3つの系群とも資源レベルは「低位」でしかも減少傾向にある。
最も漁獲量が多い道北系群は1998年には20万トンあった漁獲量が2009年以降、急減し、2013年は前年比25.5%減の4.6万トンまで落ち込んだ。
道南のホッケも、1980年代後半には3万トン前後の高水準だった漁獲が2012年には2700トンに減少、2013年は2300トンと大幅に減少し、過去最低だった。