羽毛布団リサイクルで世界遺産を保全

■世界遺産を次世代に引き継ぐため、多くの人の協力を

だが、羽毛布団の下取りは難しく、ほとんど集まらないことが多いという。百瀬さんも当初は「集まるかどうか不安だった。」と言う。しかし、熊野古道などの保全に役立てるためにと協力を求めたところ、予想以上の2,400人が協力をしてくれた。

羽毛布団1点ごとに5円の寄付と、再生利用の収益金を合わせて、和歌山県に100万円の寄付を行うことができた。

写真左手が百瀬則子さん。右手が和歌山県観光局長の山西毅治さん
写真左手が百瀬則子さん。右手が和歌山県観光局長の山西毅治さん

「目的がないところには集まらない。世界遺産の保全のためだから集まった。」と黒田社長。羽毛布団は、100〜150年かけて循環できる。ものを大切に循環させていくことで、昔からある道を次世代に残していくことができる。

下副知事は、「循環資源を活用し寄付をいただくことは意義深い。このような運動がもっと広がっていってほしい。」と寄付への感謝を伝えた。

ユニーはさらなる取り組みとして、4月に親子向け熊野古道保全ツアーも実施する。「環境と子どもたちがユニーの社会貢献テーマ。自分が動き、昔から伝わる熊野古道を保全することは、子供たちにとっても良い思い出になり、次の世代にきちんと伝えてくれる。」と百瀬さん。

広大な世界遺産を保全していくためには、多くの人々の協力が必要となる。人類の宝である世界遺産を、未来の子供たちに残すために、私たち一人一人が、先ずできることから始めたい。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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