検証CCS: 本当に使えるコストになるのか、誰が漏えい責任を持つのか

記事のポイント


  1. 経産省はCO2を回収して地下に貯留する「CCS」の本格導入を進める
  2. しかし、CCS導入に関して最大の課題は「コスト」だ
  3. 経産省は50年に6割コストが下がると見込むが、本当に使える水準になるのか

経済産業省は2050年カーボンニュートラルの実現に向け、二酸化炭素(CO2)を回収して地下に貯留する「CCS」の本格導入を進めるが、最大の課題はコストだ。経産省は現在、回収・輸送・貯留を合わせて1トン当たり1万2800~2万200円とされるCCSコストを、2050年までに6割以上削減する目標を掲げる。だが、本当に産業界が広く活用できる水準まで下げられるのだろうか。(オルタナ輪番編集長=池田真隆、北村佳代子、オルタナ副編集長=京正裕之)

「CCS」とは、「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、CO2の回収、貯留を意味する 画像:日本CCS調査株式会社

「回収・輸送・貯留のコストは下がるかもしれないが、CCSのコストは火力発電に掛かるコストも含めて見るべきだ。火力発電の燃料費が加わると経済合理性が出るはずがない」――。環境政策に詳しい龍谷大学政策学部の大島堅一教授は、CCSの経済性に根本的な疑問を投げ掛けた。

■「CCS単体」ではなく「火力発電全体」で考えるべき

経産省は、CCSコストについて、技術革新や設備の大型化、輸送網の整備によって大幅に低下すると試算する。しかし、大島教授は「CCS設備だけを切り出して議論すること自体がミスリーディングだ」と指摘した。

CCSは火力発電所や製鉄所などから排出されるCO2を回収する技術であり、その前提には化石燃料の利用がある。さらに、CO2の回収設備は大量のエネルギーを消費するため、発電効率も低下する。

大島教授は「回収・輸送・貯留のコストだけを見れば将来的に下がる可能性はある。しかし、火力発電というシステム全体で見れば、再生可能エネルギーと競争できる経済合理性は期待できない」と言い切った。

加えて、高性能な設備でもCO2回収率は概ね90%程度にとどまり、設備によっては50%程度しか回収できないケースもあるという。「CCSを利用しても必ず回収し切れないCO2が残る。CCSだけでカーボンニュートラルを達成できるわけではない」と大島教授は強調した。

■漏えいリスクと「誰が責任を負うのか」
■代替手段が確立された電力分野でなぜCCSなのか
■海外でもコストと安全性に疑問の「声」相次ぐ
■世界のCCS、その多くは石油増産と一体に
■削減ポテンシャルは「最後の手段」

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #CCS#脱炭素

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