地域社会との対話を―子どもの権利とビジネス(8)

「ビジネスと人権」でよく言われる「ステークホルダー・エンゲージメント」は、企業活動における利害関係者と関わることを指すが、企業が人権侵害を起こすことなく、説明責任を果たすためにも、事業の影響を受ける地域社会、特に最も弱い立場に置かれた人々との直接的な対話が求められる。

このステークホルダーの中には、当然ながら子どもも含まれる。参加と意見表明の権利は人権の重要な要素だが、子どもの権利においても中核をなす原則である。

子どもは、情報が成長段階に合った適切な形で提供されれば、自分たちに関わる決定に関する議論を理解し、自ら考えて意見を表明する力を持っている。

企業はこれまで以上に真摯に子どもを含む人々の権利やニーズに向き合い、地域の暮らしや環境、文化を理解し、ステークホルダー・エンゲージメントに取り組むことが求められている。

初期のコストや時間が多少かかっても、それは後々、企業の持続可能性につながるだろう。

そこで有効な手立てとして、人権や社会・環境への影響に対する高い感度を持ち、地域の事情に精通したNGOとの連携を挙げたい。子どもの権利を尊重、推進するパートナーとして、企業とNGOの協働はさらに深化できる。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #ビジネスと人権

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