
2017年1月5日から8日に米ラスベガスで開かれた家電展示会「CES2017」では、サステナブルな社会に向けた家電製品が多数登場した。完全統合型ソーラーパネルの「ソルパッド」は、エネルギーの発電から貯蓄と利用まで、自然エネルギーの使い勝手を大幅に広げた製品だ。グーグルグラスで視覚障害者の生活行動を支援するサービス「アイラ」やウェラブル搾乳器の「ウィロー」など、障害者や女性が生きやすい社会作りに貢献する製品が続々と登場した。(寺町 幸枝)
太陽光電力の全てを掌握できる一台
米カリフォルニア州マウンテンビュー発のサンカルチャー ソーラー社の「ソルパッド(SolPad)」は、CES2017で、注目を浴びた製品の一つだ。
ソルパッドへの評価が高かった理由はたった一つだ。世界で初めて、1台のユニットに太陽光発電に関するあらゆる機能が詰め込まれているという点だ。
これまでの太陽光発電は、モジュールで発電した電気を、実際の電力に落とし込むために、接続箱、パワーコンディショナー(整流器)、分電盤やバッテリー(蓄電池)などを通す必要があった。しかしソルパッドは、その全てを一台のパネルで可能にしたのだ。
「ソルパッドこそ、真のサステナブル社会に見合った製品だ。現代のスマートホームの電力に関して、すべて自分で掌握することができるのだから」とクリストファー・エスティー・ソルパッドCEO兼製品デザイン担当は語る。
ソルパッドは、最初の製品「ソルパッドモバイル」の予約販売を5月に控えている。72Wのソーラーパネルに、600Whのバッテリーを搭載したソルパッドモバイルの価格は、1,395米ドル(約16万円)。
5時間の最速充電(通常充電時間は10時間)で、スマートフォンの充電60回分以上、小さい冷蔵庫は10時間分の電力を確保できるという。
パネルの裏側には、USBのアウトレットが2つ付いており、また2000ワットまで出力可能なACアウトレットも2つ付いている。モバイルパネルにはインターネットのホットスポット機能も搭載されている。