「企業の目的は利益ではない」は「きれいごと」か

「CSV、CSVと祭り上げて、CSVを目的化していては、それこそポーターが1979年に発表した競争戦略論に退行してしまいます。つまり、CSVによって独自のポジショニングを確保し、競争優位を獲得する、という「企業のパーパスはやはり利潤の最大化」を前提とした考え方です。せっかくポーター自身ですら、この呪縛から解放されたというのに、皆さんが先祖返りしていては本末転倒というものです」(引用終わり)

それにしても、「企業の存在意義は利益ではない」「企業の目的は社会にある」というのは、いわば究極の「きれいごと」だ。

だが、企業経営において、やはり「きれいごと」は大事なのだ。低成長時代に入ってから、経営者もビジネスパーソンも、「きれいごと」をいう余裕が無くなってしまった。昔、松下幸之助さんは「企業は社会の公器」と、稲森和夫さんも「善行、利他行を積め」と諫めてくれたが、今はそういう経営者は少なくなった。

ところで、「これからのビジネスは『きれいごと』の実践でうまく行く」という本を出した経営者がいる。環境経営で知られるサラヤ社長の更家悠介さんだ。この本では、次のように締めくくっている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #パーパス

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