――優先的に解決すべき社会課題として「子どもや若者の支援」「生活困難者の支援」「活力が低下した地域の支援」などを掲げていますね。
いずれも法律で定められたもので、子どもや若者の支援では経済的困窮など、家庭内の課題、日常生活または社会的生活を営む上での困難については働くことや社会的孤立、差別など7つの小項目を提示しています。
いずれも優先順位はない重要課題です。その中で現場における社会的課題を知っているのはやはりNPO/NGOの皆さんです。今後、資金分配団体の申請、審査を通じ、書類審査やヒアリングで対話を重ねていく中で、より具体的になっていくと思います。
「オープンイノベーション」で政府や自治体の隙間を埋める
――ソーシャルインパクト(社会的影響力)を持った事業を展開することは容易ではありません。JANPIAとしての独自性を出すために、どのような活動を行っていきますか。
NPO/NGOの方々は高い志を持って地域に根差した活動を展開してきました。一方で、こうした組織は財政や専門人材の面で決して充分とは言えません。特に人材面では人手だけでなく、プログラムをマネジメントできる人が不十分です。休眠預金を活動資金として活用するとともに、その一部を基盤整備、次世代の育成にも使って、今の課題と将来の課題を同時に解決していく。私たちはこの制度を市民活動がより充実したものにするための機会と捉えています。
これまでもさまざまな補助金、助成金制度があり、地方自治体でもそういう活動が行われてきた経緯もあります。JANPIAは組織名に「連携」という言葉を入れました。普通は「促進」といった名称を使いますが、私自身も「連携」にこだわりました。
社会課題の解決は簡単ではありません、さまざまなステークホルダーとの連携があって初めてイノベーション、新たな価値創造に繋がると考えるからです。これまで単体に活動してきたものが連携するチャンスを創出していく。それがJANPIAのミッションです。