
中外製薬は18日、都内でESG(環境・社会・ガバナンス)説明会を開き、取引先での人権・環境配慮などサステナビリティに関する取り組みを強化する方針を打ち出した。調達から製造、販売までのサプライチェーンを持続可能にしていくために、財務や品質、セキュリティといった点だけでなく、労働や倫理、環境への責任を含めて包括的にサプライヤーを評価する体制を強める。2021年までの3年間で原薬など製造委託先の評価を進める考えだ。(オルタナ編集部=堀理雄)
同社が今年1月に発表した2021年に向けた中期経営計画「IBI 21」では、柱となる5つの戦略の一つに「Sustainable基盤強化」を盛り込んだ。目指す姿である「患者中心の高度で持続可能な医療の実現」に向け、非財務面を含めた価値創造戦略を進める狙いだ。
基盤強化に向けた重点課題は、「サプライチェーンマネジメント」「クオリティマネジメント」「保健医療アクセス」「社会貢献」「地球環境」「ステークホルダーとの対話」の6つだ。
サプライチェーンマネジメントでは、財務や品質、知財セキュリティなどの点に加え、児童労働や強制労働といった人権課題など倫理・労働・安全・環境への責任である「EHS・コンプライアンス」を含めた包括的な基準を設定。取引可否の判断も視野に、サプライヤーを評価するとした。