■田中 稔 KDDIコーポレート統括本部 総務本部長兼総務部長 理事・弁護士 サステナビリティ担当役員インタビュー
SDGs(持続可能な開発目標)の「目標9」は「 強靱(レジリエント)なインフラ構築」が主題だ。KDDIは、大災害時には、基地局を積んだ船を被災地の沖合に出すことまでする。大型台風では、進路にあわせて必要物資を事前に配置する。そこには「どんな状況でも通信を守る」という強い意志がある。(聞き手はオルタナ編集長・森 摂、編集委員・高馬卓史)

――KDDIはなぜ、SDGsに取り組むのですか。
KDDIは企業理念として「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客様の期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」と掲げています。これはまさにSDGsの概念と一致しています。
さらに当社のフィロソフィの中で、経営の原則として「社会への責任を果たす」という一節もあります。「あらゆる事業活動を通じ、お客さまや取引先、株主、地域社会など、私たちを取り巻くすべての人々の信頼を得ることで、KDDIが持続的な成長と発展を遂げることができるのです」と明文化しているのです。
SDGsの目標として2019年5月には、事業を通じて解決する社会課題として「通信」「グローバル」「地方創生」「教育」「金融」の5項目を掲げました。
さらに、企業活動を通じて解決する課題として「人財育成」「女性活躍推進」「人権・D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」「地球環境」の4項目を抽出しました。あわせて9項目の目標と、課題解決のためのパートナーシップを加味して発表しています。
――9つの目標で、優先順位をつけると何が最優先になりますか。