
世界的な香料メーカーのジボダン(本社スイス)は、新型コロナウイルス対策のため、手指消毒剤60トン(標準的な容器70万本に相当)以上を今後2週間で生産し、各国で寄付する。そのための専用生産ラインをスイス・ジュネーブ郊外のヴェルニエに新設する。日本法人のジボダン ジャパンが発表した。(オルタナ編集部)
ジボダン社は香水と香料の世界トップ企業だ。2019年の売上高は62億スイスフラン(約6800億円)。スイス本社のほか、全世界で180以上の拠点を持ち、14900名の従業員を雇用している。日本には1920年に市場参入し、1973年には日本法人を設立した。
同社は、サステナビリティ経営でも知られ、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)の「気候変動対応」と「水の安全性」の2部門でAリストに入った。
手指消毒剤の寄付先はまず、同社工場に近いジュネーブの病院、空港、交通機関、行政、非営利組織など。ジボダン社のジル・アンドリエCEOは、「同社の生産物流チーム、ボランティアの協力者に対し、短期間で一日あたり最大8トンの手指消毒剤を生産し、梱包することができた」とのコメントを出した。
同社の仏ポマクル工場では現在850キログラム以上の手指消毒剤を生産し、地元病院に寄付。英アシュフォード工場では地元の醸造所と提携し、地元病院へ配送するための梱包作業を行っている。
仏アヴィニョン工場からは600キログラム以上の手指消毒剤を地元提携先と支援企業に寄付した。同社はさらに今後数週間以内に、従業員の感染予防および各国での需要増に応えるため、欧米やシンガポールにある海外生産工場で手指消毒剤の生産規模を拡大し、順次、寄付していく。
ジボダン社はこのほど「COVID-19コミュニティ基金」を設立し、100万スイスフラン(約1億1100万円)を拠出した。世界の拠点を通じて、新型コロナウイルス感染症と戦う各国社会を支援している。