環境デューデリが世界に拡大、環境省も「入門書」

 
入門書では、DDプロセスの定義を「企業が原因となったり助長したりする負の影響を停止・防止・軽減する目的のため、企業が『相当の注意』を果たすプロセス」としている。

環境デュー・ディリジェンス入門

多くの企業が取り組んでいる環境マネジメントシステム(EMS)は、事業活動の負の発生をコントロールするリスクマネジメント視点を含んでいることから、環境DDプロセスをEMSと連携させることで効率的なマネジメントが可能だと説く。

DDプロセスの5つの要素を、「方針・経営システムへの組み込み」「負の影響・リスクの発見、評価」「負の影響・リスクの停止、防止、軽減」「実施状況と結果の追跡調査」「情報公開」と定めている。

バリューチェーンのDDの主な留意点は、「方針・経営システムへの組み込み」では「特に調達部門にDDの意義・重要性を理解させる」。「負の影響・リスクの発見、評価」では「操業・調達する国、生産・販売する製品等を勘案しリスクを洗い出す」。

「負の影響・リスクの停止、防止、軽減」は、「サプライヤーとエンゲージメントする」。「実施状況と結果の追跡調査」は、「成果指標の継続的モニタリングを実施する」。「情報公開」では、「実施したDDプロセスの情報を公開する」。と言うものだ。

入門書は、「新たな環境DDの考え方を取り入れ、DDプロセスを実施していくことこそ、今後のビジネス展開において重要であり、企業の事業継続性を維持し、リスク対策と発展のための必須の取り組みだ」と環境DDに取り組む意義を強調している。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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