繊維商社の豊島(名古屋市)が手掛けるオーガニックコットン普及プロジェクト「ORGABITS(オーガビッツ)」が8月で15周年を迎えた。世界で1%に満たないオーガニックコットン農地の割合を10%以上に広げることを目指し、「ちょっと(bits)ずつ」環境や社会に配慮しようと呼び掛ける。15周年を記念して、ウェブメディア「BITS MAGAZINE(ビッツ・マガジン)」も立ち上げた。(オルタナ副編集長=吉田広子)
オーガビッツは、オーガニックコットンを通してみんなで 「ちょっとずつ」地球環境に貢献しようという思いから始まった社会貢献プロジェクトだ。
コットンの原材料である綿花は、インドや中国、米国、ブラジルをはじめ世界各地で生産されている。だが、畑で使用される殺虫剤や除草剤、落葉剤などは土壌汚染や農家の健康被害を引き起こす。最大の綿花生産国インドでは40万人以上の子どもたちが児童労働に従事していると言われている。
一方で農薬を使わないオーガニックコットンは、通常の栽培方法よりも手間がかかるため比較的高価になる。
そこで、豊島は「オーガニックコットン100%」にこだわらず、10%含まれた商品を100倍の人に届けるという「逆転の発想」でオーガビッツを立ち上げた。現在約130ブランドが参加し、約800万点(2020年6月末時点)のアイテムを生産しているという。
同プロジェクトでは、国内外の環境・福祉・途上国支援・復興など、各分野で活躍するNPO法人や慈善団体に寄付する取り組みも行っている。2019年7月から2020年6月に本プロジェクトに参画したアパレルブランドとコラボレーションして販売した74万点以上の商品の売り上げから、総額560万円を6団体に寄付した。
新たに立ち上げたビッツ・マガジンでは、インタビュー記事やオーガニックの取り組みが紹介されている。