SDGsランキング、独自計算すると日本は「54位」(上)

真のスコアを上げるために必要なこと

そこで「SDGsギャップ」という指標を新たに作り、真にSDGsの取り組みが進んでいる国を探すことにします。SDGsギャップ率(%)は「任意の国のGDP(PPPベース)から推察される理論SDGsスコア」と「実際のSDGsスコア」から計算することができます。

SDGsギャップ率(%)=(SDGsスコア-SDGs理論値)/SDGs理論値×100

このSDGsギャップ率で順位付けをすると、単純なスコアとはかなり異なった結果が得られます。SDGsランキング17位の日本は「54位」と平凡な順位になります。

もっとも仮に日本のSDGsギャップ率の順位が17位だったとすると、SDGsスコアの順位はフィンランドとフランスの間の順位である4位まで上昇することになります。並大抵の努力ではこの順位までスコアを上げる事はできないように一見思われます。

しかし、実はゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」のスコアを両国並にするだけで実現できます。日本のSDGsへの取り組みが平凡なものに留まっているのは、取り組みが非常に遅れているゴールがあるからと言えます。

※1 PPP:購買力平価(Purchasing Power Parity)のこと。一国の通貨と他国の通貨との換算比率の一種で、それぞれの通貨の購買力 (買える財やサービスの量)が等しくなるように計算して求められる。例えば、ビール1缶の値段を日本では200円、米国で70セントとした場合、ビールでみた円とドルの購買力平価は1ドル=285.7円(200円÷0.7ドル) となる。

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森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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