野菜・果樹向けの農薬マンゼブ、EUが21年から禁止

欧州では2019年、欧州食品安全機関(EFSA)が、マンゼブは内分泌かく乱物質で、生殖をそ害し、鳥類、哺乳類などに有害であるため認可すべきではないとの意見書を出した。

欧州化学物質庁(ECHA)のリスク評価委員会も同年、代謝物質のエチレンチオウレア(ETU)で胎児の脳に髄膜脳瘤などの奇形が生じるという重大なリスクがあることから、マンゼブを生殖に有害なレベル「1B」と認定した。

フランスの国立食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は2020年4月、認可期間(2021年1月)が切れるが切れたら再認可しないよう欧州委員会に意見を提出していた。

フランスの有力な反農薬NGO「未来の世代」は、「長年この農薬の禁止を訴えてきたNGOにとって大きな勝利だ」と歓迎を表明した。欧州の複数の反農薬NGOは、「有機農業で実施しているように、菌に強い品種を選ベばマンゼブを使わずに済む」と主張している。

hanyu

羽生 のり子(在パリ編集委員)

1991年から在仏。早稲田大学第一文学部仏文卒。立教大学文学研究科博士課程前期終了。パリ第13大学植物療法大学免状。翻訳業を経て2000年頃から記者業を開始。専門分野は環境問題、エコロジー、食、農業、美術、文化。日本農業新聞元パリ特約通信員、聴こえの雑誌「オーディオインフォ」日本版元編集長。ドイツ発祥のルナヨガ®インストラクター兼教師養成コース担当。共著に「新型コロナ 19氏の意見」(農文協)。執筆記事一覧

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キーワード: #農業

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