サステナビリティ開示にIFRS財団が参入、その意味は

【連載】サステナビリティ経営戦略(2)

明けましておめでとうございます。サステナビリティ経営研究家の遠藤です。今年はサステナビリティ情報開示にとって重要な年になりそうです。

主に2000年以降、サステナビリティ情報(ESG/非財務情報含む)開示に関する様々な基準が開発・導入されてきました。

投資家を始めとするステークホルダーのニーズ多様化への対応との見方ができる一方、乱立気味の状況が企業の開示疲れ、比較可能性の欠如等の問題を引き起こしていることも確かです。

そのため開示基準の統一化に向けた気運が高まってきています。昨年9月には以下の3つの大きな動きがありました。

・CDP、CDSB、GRI、IIRC、SASBの5団体が包括的な企業報告に向けた協働に関する声明を公表
・世界経済フォーラム(WEF)が4大監査法人(デロイト、EY、KPMG、PwC)と共同で『ステークホルダー資本主義の測定』と題する報告書を公表
・国際財務報告基準(IFRS)の策定を担う国際会計基準審議会(IASB)を傘下に持つIFRS財団が協議文書を公表し、同財団がサステナビリティ基準審議会(SSB)を設立し、基準設定の役割を担うことについて意見募集

この中でも特に注目すべきなのはやはりIFRS財団の動向でしょう。

中長期の価値創造ストーリーの開示こそが重要

遠藤 直見(オルタナ編集委員/サステナビリティ経営研究家)

遠藤 直見(オルタナ編集委員/サステナビリティ経営研究家)

東北大学理学部数学科卒。NECでソフトウェア開発、品質企画・推進部門を経て、CSR/サステナビリティ推進業務全般を担当。国際社会経済研究所(NECのシンクタンク系グループ企業)の主幹研究員としてサステナビリティ経営の調査・研究に従事。現在はフリーランスのサステナビリティ経営研究家として「日本企業の持続可能な経営のあるべき姿」についての調査・研究に従事。オルタナ編集委員

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キーワード: #サステナビリティ

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