【連載】多様で健康的なファッションの未来を考える(3)
国内アパレル市場における衣類の輸入浸透率は97.7%(2018年)1。つまり、日本で販売されている衣類のうち、日本国内で生産されている衣類は3%に満たない。ここでいう「生産」とは、縫製の工程が日本で行われたことを指すため、生地の生産、さらに綿や羊毛、合成繊維の原材料である石油といった原料まで含めると、日本だけで衣類の生産が完結することはほとんどないと言える。海を越えて、多数の国につながるサプライチェーンの中で、各工程の労働環境の安全性を担保することはいかにして可能になるのだろうか。