昨年環境委員会で、小泉環境大臣は、堀越啓仁議員からの質問に対して「動物虐待は、人が社会の中で関わるあらゆる動物の取り扱いについて、法的にも、道義的にもあってはならないことであり、産業動物においてもなくしていかなければならないことだ」と答えた。
これまで畜産動物を虐待から守ることに関して、国の姿勢は曖昧にみえていた。しかし、法改正の議論を経て、また世論の盛り上がりを経て、国は畜産においても動物虐待を許さない姿勢を明確にした。これはこれまでの日本の動物愛護行政の中で、画期的な変化だといえる。
しかしこれですべて解決するわけではない。虐待は養鶏場、養豚場という外からは見えない場所で行われていることだからだ。立ち入りができる行政職員や産業獣医師が、なにが虐待かわからない、更にはなにが適正な殺処分方法かもわからない可能性が高いからだ。