*この記事は2月12日正午から有料記事になりました。
編集長コラム
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任する意向であることが11日、分かりました。女性蔑視発言の責任を取るもので、組織委が12日に開く緊急会合で表明する見通しです。国内外の世論はこれを歓迎するのでしょうが、当然ながら、森氏の辞任だけでは何の問題解決にならないのです。(オルタナ編集長・森 摂)
■「ジェンダー・ギャップ指数」121位という事実
「女性は話が長い」という一連の森氏の発言が火を付けた今回の問題は、森氏の辞任で一応の収束を見せそうです。ただし、世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数(GGI)」(2019年)で日本は153カ国中121位である事実は、森氏の辞任前も辞任後も変わりません。
GGIには「経済」「教育」「保健」「政治」の4分野があり、「出生時の男女比」や「健康寿命の男女比」は世界1位です。教育でも、「識字率の格差」や「基礎・中等教育在学率の格差」も世界1位です。
ところが足を引っ張っているのが「経済」(幹部・管理職での男女比や、勤労所得の男女比など)と「政治」(国会議員の男女比や閣僚の男女比)です。