花王はこのほど、米国のシンクタンク「エシスフィア・インスティテュート」(Ethisphere Institute)による「World’s Most Ethical Companies 2021」(世界で最も倫理的な企業)に選定された。同社は2007年に同賞が創設されて以来、15年連続で選定されており、同賞の受賞を役員報酬の算定にも取り込んでいるという。(山口 勉)

「World’s Most Ethical Companies」は、企業倫理や企業の社会的責任を専門にする米国のシンクタンクEthisphere Instituteが毎年発表しているもので、透明性、誠実さ、倫理、コンプライアンスに関する優れた成果を挙げる企業を表彰する賞だ。

選考は(1)企業倫理と法令遵守に関する取り組み (2)企業市民としての責任ある活動 (3)倫理的企業風土 (4)コーポレートガバナンス (5)リーダーシップ・イノベーション・社会からの評価――の5つの項目についての評価で行う。

同賞2021では、22カ国47業種から135社を選定した。主な選定企業は花王のほか、3M、アクセンチュア、アフラック、AT&T、ベストバイ、キヤノン、GM、HCSC、ヒューレット・パッカード、イリー(コーヒー豆)、インテル、IBM、ケロッグ、マイクロソフト、ナチュラ、ノキア、オシュコシュ、ペプシ、プルデンシャル、セールスフォース・ドットコムなど。

全選定企業リストはこちら(https://www.worldsmostethicalcompanies.com/honorees

花王グループでは、企業行動の原点として、創業者が残した「正道を歩む」という言葉を掲げており、企業行動規範「花王 ビジネス・コンダクト・ガイドライン」を制定し、各国・地域の事業の特性や事例を踏まえた研修を実施して、グループ社員全員への浸透を図っている。

また同グループは、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、経営にESGの視点を導入することで、事業の拡大と消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざしている。

同社の皆川要・コンプライアンス推進部長は「創始者・長瀬富郎が遺した『正道を歩む』の精神を脈々と受け継ぎ、トップ自らがコンプライアンス推進活動を主導し、長年活動を積み重ねてきたことが評価されたのでは」とコメントした。

こうした活動を推進する上で同グループでは「経営トップのコンプライアンス徹底の覚悟を社員に周知し、花王Gで発生したコンプライアンス案件を広く共有し、身近で発生する可能性を理解させ、自分ごと化すること」(同氏)などを意識しているという。

ただ「グローバルで3万人を超える社員がおり、全員にコンプライアンス遵守を自分ごととして意識を持たせるのが難しい点」(皆川部長)とも語り、決して楽ではない面もあるようだ。

同グループは今後も花王らしいESG活動をグローバルに展開することで、社会のサステナビリティへの貢献に取り組んでいく考えだ。