森喜朗・東京オリ・パラ組織委員会会長(当時)の女性蔑視発言は国内外に大きな波紋を呼んだ。その後、後任として橋本聖子氏が着任し、この問題は落ち着いたかのように見える。しかし、OECD東京センターの村上由美子所長は、「今回の騒動を機に、遅れていた日本のジェンダー改革が一気に進む可能性がある」と予測する。その理由を聞いた。

OECD東京センターの村上由美子所長

――森氏の女性蔑視発言とその後の騒動を村上さんはどう見ていましたか。

森さん自身は、騒ぎがここまで大きくなるとは思わなかったでしょう。辞任も考えていなかったと想像します。これまでも似たようなことを何度も言っていたと思いますし、悪意があったとは思いません。

しかし今回の問題では、日本でも多くの方が声を挙げ、国際的にも強い批判が起こりました。つまり、日本も国際社会もダイバーシティを取り巻く状況が大きく変わってきたということを意味します。ダイバーシティは世界共通の課題になったのです。

――今回の問題は日本を変えるでしょうか。

ダイバーシティやジェンダー問題の議論が加速するきっかけになればいいと思います。特に、政府や経済界などの指導的な立場にいる男性に動いてほしいです。

例えば、バイデン政権は女性(25人中12人)も非白人(同13人)も多く、ブティジェッジ運輸長官のようにセクシュアルマイノリティもいます。国民の姿を表した政権と言えます。

一方、日本の政権の遅れは目立ちます。女性登用を声高に叫んでも、男性と同じような考え方をする女性ばかり入れても意味がない。本当の意味での多様性とは、「思考の多様性」を担保することなのです。

多様性の担保に、プロセスの透明性を

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