性的少数者への理解増進を図るいわゆる「LGBT新法」は今国会での提出が見送りになったと複数のメディアが報じた。しかし、全国84のLGBT支援団体からなるLGBT法連合会の神谷悠一事務局長は、「まだ間に合う。LGBT新法の成立を目指す超党派の議員連盟に所属する議員は、自民党議員を含めそう言っている」と強調する。国会の会期末は6月16日、日本に虹は出るか。(オルタナS編集長=池田 真隆)

LGBT法連合会の神谷事務局長

「LGBT新法成立断念と一部メディアが報道。諦めるのは早い。残り2週間以上ある国会、立法府の知恵と工夫で十分通せる。国対委員長の経験でいえば過去多くの事例があり、与野党合意で、数日で成立させた法案もある。今こそ自民党は政権与党の威厳と実行力を示すべき。自民党しっかりしてや」(原文ママ)――辻元清美・立憲民主党副代表は5月28日、自身のTwitterにこう投稿した。

今騒がれているLGBT新法とは超党派の議員連盟で合意した法案だ。今国会で成立すべく動いていたが、与野党協議で「ある箇所」が議論になり、話が止まってしまった。それは、「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」という文言が法案に入ったためだ。

自民党が20日に開いた「LGBT 新法」に関する会合内で、「LGBTは道徳的に認められない」「種の保存に背く」などの差別発言が出たことも明らかになっている。

こうした発言に対して、LGBT支援団体などは抗議の声を強めている。Twitterでは「#逃げるな自民党」というハッシュタグを付けた投稿が続々とツイートされ、5月30日夕方からは支援団体などが自民党本部前に座り込む抗議活動も展開した。

LGBT支援団体などはSNSを駆使して抗議活動を広げる

この動きに企業も賛同の声を挙げ始めた。LGBT法連合会も主体団体として参画している国際キャンペーン「EqualityActJapan-日本にもLGBT平等法を」には、日本コカやアクセンチュア、PWCなどのグローバル企業10社が賛同を表明した。

日本コカのホルヘ・ガルドゥニョ社長は、「グローバルで事業を展開するためには、多様性の尊重は最も基本的な姿勢であり、コアバリューの一つ」と言い切る。同社では5月31日、同性パートナーに対応した就業規則と福利厚生を全グループ会社で整備したと発表した。

日本は先進諸国と比べるとダイバーシティは周回遅れだ。経済協力開発機構(OECD)が2019年に発表したLGBTに焦点を当てた調査では、日本はOECDに加盟する36カ国中25位だった。

今後、日本社会でダイバーシティを推進するためには何が必要なのか。LGBT法連合会の神谷悠一事務局長は、「企業が社会に及ぼす影響は大きい。キャンペーンへの賛同や事業活動の中で取り組むことで、社会に浸透していくはず。変化をいとわずに取り組んでほしい」と話した。