新型コロナのワクチン接種、LGBTのハードルは

医療分野で嫌な経験をしたり、不安を感じたりして、医療を忌避するLGBTがいる。新型コロナウイルスのワクチン接種に当たって、ハードルになることはないだろうか?

アメリカにおいて、LGBTの新型コロナウイルスのワクチン接種率が一般より低いという調査結果が出てきている。日本では、どうなるだろうか?社会的マイノリティが健康や医療において格差が生じる要因を考えてみたい。

私たちは2020年7月から8月にかけて、近畿圏に対象を限定してオンラインで簡易的なアンケート調査を行い、157名から回答を得ている。医療や福祉に関する設問では、以下のような結果が出ている。

「医療機関・福祉施設で、LGBT等に関して適切な情報提供がなかった」 LGBT 33.9%
「カミングアウトできない・したくないと感じた」 LGBT 24.3%
「性のあり方に関連して、医療機関の受診をためらった」 LGBT 18.3%
「性のあり方に関連して、病院で差別的な対応をされた」 LGBT 7.8%
「医療機関・福祉施設で自分が望む性別で扱ってもらえなかった」 LGBT 6.1%
「性のあり方に関連して、病院で受診を拒否された」 LGBT 1.7%

医療・福祉に関して経験した困りごと(認定NPO法人虹色ダイバーシティ)
muraki

村木 真紀 (認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表理事)

認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表(理事長)。社会保険労務士。茨城県生まれ、京都大学総合人間学部卒業。日系メーカー、外資系コンサルティング会社等を経て現職。当事者としての実感とコンサルタントとしての経験を活かして、LGBTに関する調査研究や社会教育を行う。著書「虹色チェンジメーカー」(小学館新書)執筆記事一覧

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