国境炭素税と「脱炭素ドミノ」(オルタナ本誌④)

※この記事は2021年3月30日に発売した雑誌オルタナ64号「グリーンな脱炭素 グリーンな脱炭素」の記事です。オンライン有料会員に入会されると、本誌も無料でご自宅やオフィスに郵送します。

今号では、「グリーンな脱炭素/グレーな脱炭素」という第一特集を組みました。脱炭素をうたいながら、実はCO₂排出や環境負荷が低くない事例を「グレーな脱炭素」と位置付けました。(オルタナ編集長=森 摂)

SDGsの「ゴール7」は、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と掲げていますが、実はSDGsでは何がクリーン(グリーン)なエネルギーかは定義していません。

私たちは今年、東日本大震災と福島第一原発の爆発事故10年を迎えました。新聞やテレビでは故郷を失った福島県の避難者や、ゴーストタウンになった町の様子を伝えていますが、一方で「日本でこれからも原発が必要なのか」という議論はまだまだ足りないと感じています。今回の特集は、その議論の一助にして頂けたら幸いです。

いま欧州連合(EU)では、「国境炭素税」の議論が活発化しています。EU域外企業がEUに製品を輸出する場合、その製品の製造や輸送時のCO₂排出が一定枠より高ければ、関税またはそれに準ずる形で課税する考え方です。

フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が導入に熱心とされ、6月にもその詳細が明らかになる見込みです。EUに製品や原料を輸出する企業はこれを警戒していますが、問題はそれだけではありません。

今年1月の就任早々にパリ協定に復帰したバイデン米大統領が自ら主宰する気候サミットで、新たなCO₂削減目標を打ち出してくるのは確実です。6月のG7(先進国首脳会議)でも、気候変動対策が主テーマの一つになるでしょう。そのころ、EUの国境炭素税の詳細が明らかになるはずです。

つまり、米国や欧州が競うように気候変動対策を打ち出し、日本もその影響を受けて、一気に「炭素税」導入の議論に火が付くかもしれません。グローバル企業の間では「2050年カーボン・ゼロ」を表明することが当たり前の状況になりました。

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森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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