リコーが40年に「再エネ100%」目標を10年前倒しの理由

記事のポイント


  1. リコーは再エネ100%への切り替えの目標年を50年から10年前倒しした
  2. 1.5℃目標と整合した脱炭素目標にするため、40年度目標を新設した
  3. 科学的根拠に基づき、ネットゼロへの「確実性」を上げた形だ

リコーはこのほど、再生可能エネルギー100%への切り替えを10年前倒しするなど脱炭素目標を大きく見直した。温室効果ガス(GHG)排出量の実質ゼロを目指す目標年は2050年から変えない。「1.5℃」目標と整合した脱炭素目標にするため、科学的根拠に基づき、「確実性」を上げた形だ。(オルタナ副編集長=池田 真隆)

リコーが公表した脱炭素目標

リコーでは、2030年度と50年度の2つの年度で脱炭素目標を掲げていた。このほど、30年度目標は変えないが、新たに40年度目標を設定し、50年度目標を改定した。

同社は40年度までに、事業活動における使用電力の100%再生可能エネルギーへの移行(RE100達成)を目指す。従来はRE100の達成目標年度は50年度だった。スコープ1,2のGHG実質排出ゼロの達成も目指す。

排出量を自助努力で基準年比90%削減し、残余排出量については、国際的に認められた方法でオフセットすることで実質ゼロを達成する。

スコープ3については、対象範囲を従来のカテゴリー1(調達)、4(輸送)、11(使用)から、全カテゴリーに拡大し、基準年比削減率65%を新たに設定した。

50年度目標については、スコープ1,2,3において、排出量を自助努力で基準年比90%削減する数値目標を追加した。

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #脱炭素

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