※この記事は2021年3月30日に発売した雑誌オルタナ64号「グリーンな脱炭素 グリーンな脱炭素」の記事です。オンライン有料会員に入会されると、本誌も無料でご自宅やオフィスに郵送します。

私たちは21年3月、東日本大震災から10年を迎えた。原子炉3基がメルトスルーと水素爆発を起こすという史上最悪の事故と、政府や東京電力による情報の出し渋りや混乱は、多くの人に不信感を与えた。日本世論調査会が実施した全国郵送世論調査(21年3月)で「再び深刻な原発事故が起きる可能性がある」と答えた人は90%に上った。

同世論調査では「原発を将来的にゼロにするべきだ」と答えた人は68%、「今すぐゼロ」と答えた人は8%で、脱原発を志向している人が合計76%に達したことが分かった。中長期的なエネルギー政策の方針「第6次エネルギー基本計画」策定に向けた議論が進むなか、経済産業省は20年12月、2050年の電源構成(発電に利用される電源の割合)の参考値を公表した。

その内訳は「再生可能エネルギーを50─60%」「水素とアンモニア発電を合わせて10%前後」「原子力と石炭・石油・ガス火力にC C U S をセットにした発電で30─40%」だ。原子力に関しては「確立した『脱炭素電源』として、安全性を大前提に一定規模の活用を目指す」との方向性が示された。

だが、原発は本当にグリーンな電源なのか。「トイレなきマンション」と例えられるように、行き場のない使用済み核燃料の問題は解決されないままだ。