日米両首脳による対面での首脳会談が4月16日に行われる予定だ。それに先立ち両国に拠点を置く環境NGO8団体は4月5日、両首脳に化石燃料への公的支援停止を求める共同声明を発表した。(山口 勉)

両首脳からはどのような声明が出されるのか注目が集まる

菅義偉首相およびジョー・バイデン米大統領による日米位首脳会談は4月16日にワシントンDCで行われる予定で、対面では初となる。これに先立ち、350.orgやFoE(Friends of the Earth)など日米に拠点を置く国際環境NGO8団体は共同声明を発表した。両首脳に石炭、石油、ガス拡張事業への公的支援を止めるための強いリーダーシップを発揮するよう要請している。

2015年12月に合意されたパリ協定では、温室効果ガスを削減し、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度より低く保つとともに、1.5度に抑える努力目標が掲げられている。この1.5度目標を実現するには、CO2排出量を2050年前後に正味ゼロにする必要がある。

化石燃料発電で70年までに1.65度上昇

米国では、バイデン米大統領が大統領令で、「持続可能な開発とグリーン・リカバリーを推進すると同時に、炭素集約型の化石燃料をベースとしたエネルギーへの国際的な資金提供の終了を促進するために合衆国が取れる措置を特定する」と述べている。

日本では、菅首相が2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにし、カーボンニュートラルな社会を実現することを宣言した。

しかしながら、2020年10月に国際エネルギー機関(IEA)が発表した報告書によれば、既存の化石燃料発電所および現在建設中のすべての発電所が、その寿命まで過去と同じように使用された場合、それらの排出量は2070年までに世界の平均気温を1.65度上昇させるという。

NGOが発表した声明では、両国のエネルギー政策をパリ協定の1.5度目標と整合させなければないと述べている。

日本および米国は、アジア開発銀行(ADB)への最大の出資国として、またOECDで国内総生産(GDP)が最も高い国々として、ほかのADB出資国およびOECD加盟国に対して、1.5度目標に整合しない石炭、石油、ガス拡張事業への公的支援を止める方針を策定するように働きかけなければならないとしている。

同声明の中で、国際環境NGO FoE U.S.のケイト・デアンゲリス国際ファイナンス・プログラム・マネージャーは、「何十年もの間、日本と米国は世界中の化石燃料事業を支援し、地域社会と気候に壊滅的な影響を与えてきた。両国は今こそ、汚染し続けた過去とは決別し、海外の化石燃料事業への全ての支援を直ちに中止することで、真の気候リーダーになれる」と述べている。

会談の成果については両首脳が声明を発表する予定だ。脱炭素社会の構築に向けた取り組みについて、両国がイニシアティブを取る姿勢が打ち出されることが望まれる。

共同声明に参加した国際環境NGOは次の通り。350.org、350.org Japan、FoE Japan、FoE United States、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、気候ネットワーク、メコン・ウォッチ、オイル・チェンジ・インターナショナル。