KFCやピザハットなどを運営するレストランチェーン世界最大手の一つ、ヤミ―ブランズ(米ケンタッキー州)は9月3日、2030年までに使用するすべての卵をケージフリーに切り替えると発表した。ケージ飼育の平均面積は鶏1羽に付きiPad一台分しかなく、アニマルウェルフェアの観点から切り替えを求める声が消費者やNGOから出ていた。これまでにバーガーキングやヒルトン、ユニリーバ、ネスレなど100を超えるグローバル企業がケージ飼育からケージフリーに切り替えている。(オルタナS編集長=池田 真隆)

ケージフリーの卵に対する消費者の需要は高まっている

ヤミーブランズは世界で約5万店舗を運営するレストランチェーンだ。この切り替えによって、数百万羽の鶏の健康が改善されることになる。

この切り替えの背景には、アニマルウェルフェアを推進する啓発団体からの圧力がある。同社に対しては、日本を含む63カ国から77の動物保護団体が結集して、ケージフリーへの切り替えを要求し続けていた。

インターネット上には切り替えを求める「オンラインアクション」が相次いで起こり、その数は何十万件に及んだ。セルビア、ナイジェリア、台湾などでは街頭でのデモも行われた。

同社に切り替えを求めたキャンペーンを主導したオープンウィングアライアンスのアレクサンドリア・ベック代表は、「ヤミーブランズがケージフリー卵のみを調達することを決めたことは歴史的な契機だ。世界中で採卵のために飼育される数百万羽の鶏の苦痛が軽減される」と話した。

世界的レストランチェーンが切り替えたことで、「ケージフリーが業界の未来になりつつあることは明らかだ」と強調した。

日本への影響について、認定NPO法人アニマルライツセンターの岡田千尋代表理事は、「巨大ファーストチェーンであるKFCやピザハットがケージフリーに切り替えたことは日本社会にも大きな影響を与える」と話す。

なぜケージフリーを求めるのか

ケージ飼育からケージフリーへの切り替えを求める理由は、養鶏場の狭さにある。日本の平均飼育面積は一羽当りiPad一枚分に相当する。その劣悪な環境では、身体の一部がケージに引っ掛かり、骨折したり、脱臼したりする。

今年2月25日、小泉進次郎・環境相は衆議院予算委員会第6分科会で、「ケージ飼育はアニマルウェルフェアの観点から推奨されるものではない」と述べ、明確に否定していた。日本では130以上の企業や店舗がケージフリー宣言をしている。