ガイドライン最大の改訂ポイントは、SIMの実践を「意思決定の視点」と「評価の視点」の2つで切り分けて再整理したことである。各ステージやステップで「評価」を用いることで事業や取り組みがもたらす変化や価値に関する情報を可視化し、それを社会的インパクトを向上させるための「意思決定」に活用していくということである。
例えば「事業対象地域において、特に深刻な問題(社会的ニーズ)は何か?」という問いを立て、社会問題に関する指標を調査することでその程度を把握し(事実特定)、それが重大なものか軽微なものかを判断する(価値判断)するのが評価の視点である。このように評価で得られた情報をもとに、自社でどのように取り扱うかどうかを判断するのが「意思決定」の視点である。
意思決定の連続である事業活動に、対象の変化や価値に関する情報の可視化という「評価」の視点を加えることにより、社会的インパクトを向上させるためのマネジメントになるという整理ができるのである。
