伊藤忠商事統合レポート2021は、「企業価値算定式(投資判断の視点)」を用いた情報体系で整理されています。また「資本の増強」のために、2030年までのマクロ環境要因分析である「PEST分析」を徹底して行い、「リスク」と「機会」を把握しています。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)
同社は「企業価値の向上を図るには、経済価値と環境・社会価値の全てを拡大していく必要がある」と認識しています。
「企業価値算定式」とは、「創出価値の拡大」(短期目標の達成)と「成長率の向上」(中長期的な価値創造への布石≒中期経営計画「Brand-new Deal 2023」)に向けてものです。
具体的には、「資本コストの低減」(持続的な成長を支える取組み・体制=人材戦略、コーポレート・ガバナンス、サステナビリティ推進体制など)を図ることで、持続的な価値創造の原動力である「資本の増強」という好循環を実現するという考えです。(下図参照)