オルタナ総研統合報告書レビュー(2):伊藤忠商事

伊藤忠商事統合レポート2021は、「企業価値算定式(投資判断の視点)」を用いた情報体系で整理されています。また「資本の増強」のために、2030年までのマクロ環境要因分析である「PEST分析」を徹底して行い、「リスク」と「機会」を把握しています。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

同社は「企業価値の向上を図るには、経済価値と環境・社会価値の全てを拡大していく必要がある」と認識しています。

「企業価値算定式」とは、「創出価値の拡大」(短期目標の達成)と「成長率の向上」(中長期的な価値創造への布石≒中期経営計画「Brand-new Deal 2023」)に向けてものです。

具体的には、「資本コストの低減」(持続的な成長を支える取組み・体制=人材戦略、コーポレート・ガバナンス、サステナビリティ推進体制など)を図ることで、持続的な価値創造の原動力である「資本の増強」という好循環を実現するという考えです。(下図参照)

(出所)統合レポート2021 p21 「三方よし」を中心に据えた価値創造モデル」
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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #ESG#SDGs

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