「これはハマる」Eバイクでスポーツライド

■間違いだらけの自転車選び(25) 山本修二(自転車ジャーナリスト)

●注目のポイント
1 たとえ電源を切っても快適に走れる
2 100km以上走れる長い航続距離
3 体力以上の走りが楽しめるアシスト力

トップストーン・ネオ・カーボン・レフティ3。
「レフティ」の名称は左片持ちのフロントフォークから来ている

●今回の自転車紹介
キャノンデール/トップストーン・ネオ・カーボン・レフティ3
価格64万2400円(税込)。フレームはカーボンファイバー製。変速機とブレーキは、シマノのグラベル用コンポーネントGRXを搭載。やや太めの650B×42タイヤを装着することで、グラベルロード(未舗装路)のライドも楽しめる。メーカー発表の最長走行距離は141km。
キャノンデール・ジャパン https://www.cannondale.com/ja-jp

■街乗り電動アシスト自転車とは別物の「Eバイク」

買い物用、未就学児の送迎用を中心に普及した日本の電動アシスト自転車市場。2020年の国内出荷台数は73万7738台(経済産業省発表値)にのぼり、国内のモーターサイクル全体の出荷台数67万4082台を大きく上回る。

日本国内の公道を走れる電動アシスト自転車は、「ペダルをこいでなければアシストが効かない」「時速24㎞まででアシストが切れる」「速度域に応じた最大アシスト比率」など道路交通法による厳格な規定がある。

近年、急激に選択肢が広がっている「Eバイク」と呼ばれるスポーツタイプの電動アシスト自転車についても、もちろん同様の法律が適用されている。

海外のEバイク市場では、時速30㎞を超えても加速をするものや、ペダルを止めた状態でもモーターサイクルのようにグングン加速する製品が中心だ。

海外製品を輸入する場合、日本独自の規制をクリアするために、モーターの規格変更や検査通過のための書類整備が不可欠で、そこに膨大な資金がかかり、結果として高額になっている。

さらに日本独時の法律のおかげで、子どもを載せて街中を走る電動アシスト自転車も、スタイリッシュなEバイクも、アシスト力は同じレベルに制限されているのは事実だ。しかし、実際に乗り比べてみると、まったくの別物であることをお伝えしたい。

今回、紹介するのはキャノンデールのトップストーン・ネオ・カーボン・レフティ3というモデル。未舗装路でもしっかりと振動を吸収し、強いトラクションを生み出しグイグイ走れるよう、フロントには機械的なサスペンション、リアにはカーボンファイバーの弾力を利用したサスペンション機能が組み込まれている。

価格は64万2400円。フラッグシップモデルとはいえ、なかなかの価格だ。

アシストユニットは、ボッシュ製。400Whの大容量バッテリーを搭載することで、メーカー公表値では1回の充電で最大141kmの走行ができるとある。今どきは子ども乗せタイプでも80㎞走れるモデルもあるが、100㎞超の距離を走れるのは魅力的だ。

日本の法律を順守するようにプログラムされたボッシュ製のEバイク専用ユニットとバッテリーを搭載する

■価格に見合ったスタミナと乗り心地

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山本 修二(自転車ジャーナリスト)

1963年東京生まれ。ライター。雑誌を中心に、競うことなく笑顔で楽しめる自転車ライフを提案している。最新著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)。

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