環境問題は人権、ジェンダーギャップと切り離せない

識字率はさておき、こうした男女格差は日本とは無縁の話なのだろうか。2021年3月に世界経済フォーラムが発表した「男女格差を測るジェンダーギャップ指数において、日本は総合スコア0.656と156カ国中120位、G7で最下位、アジア諸国の中でも韓国やASEAN諸国よりも低い順位であった。

また、男女間の賃金格差は24.5%とOECD加盟国中2番目に大きい。コロナ禍により多くの人が経済的な困難を抱えているが、他国と比較し格差の改善が遅れる日本において、女性の生活困窮はさらに深刻化している。

「エコフェミニズム」と「システム・チェンジ」

「エコフェミニズム」とは、女性への抑圧と環境破壊には「支配」や「搾取」という共通点があり、環境問題の解決のためには、家父長制度と性別役割分担が根付いた男性優位の階級的構造を変える必要があるという考え方である。

国際環境NGO FoE Japan(東京・板橋)が主催する連続セミナー「システム・チェンジを考える(全5回)」では、コロナ禍で深刻化する貧困・格差の問題をテーマとして、気候変動問題と生活困窮者支援のつながり、女性特有の課題、根深い労働問題などを事例に、社会制度と環境問題を包括的に捉えたシステム・チェンジを提言している。

多くの人からは見えにくい問題かもしれないが、私たちの日々の暮らしが自然からの搾取の上に成り立っていることを思えば、少しの想像力でジブンゴトにできるのではないだろうか。まずは、知ることから始めてみてほしい。

出典:FoE Japan international
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照井 敬子

薬樹株式会社SDGs推進担当マネジャー・NPO法人Liko-net代表理事 医療という人の命に関わる仕事だからこそ、持続可能な仕組みを大切にしたいとの考えのもとSDGs推進を担う。また、NPO法人としてサステナブルをテーマに生活者に向けた啓発イベントを行う。

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