「想像力の飛び道具」を発明 ノーベル賞 真鍋淑郎氏

【連載】地球の目線2021(8)

5万年前の認知革命以来、人類は「観察」という営みを通じて博物学的な知識を蓄積してきた。500年前のルネサンスと科学革命以降は「実験」という手法が確立され、人為的に条件を変えて自然の本性をあぶり出すやり方が科学の本流となった。そしてここ50年、計数技術(コンピューター)の発達によって「シミュレーション」という第3の科学的手法が加わった。それは地球や気象現象のように、その全体を丸ごと観察も実験もできない対象を、その生きた振舞いを仮想空間に再現(創造)することによって理解可能にする。(竹村 眞一・京都芸術大学教授/オルタナ客員論説委員)

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竹村 眞一(京都芸術大学教授/オルタナ客員論説委員)

京都芸術大学教授、NPO法人ELP(Earth Literacy Program)代表理事、東京大学大学院・文化人類学博士課程修了。人類学的な視点から環境問題やIT社会を論じつつ、デジタル地球儀「触れる地球」の企画開発など独自の取り組みを進める。著者に『地球の目線』(PHP新書)など

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