「株式会社飛騨の森でクマは踊る」を知っていますか

広葉樹が握る次世代の価値(2)

日本の森林の半分を占めるにも関わらず、多様であるがゆえに活用が難しい広葉樹。岐阜県飛騨市は、その広葉樹を中心としたまちづくりに、あえて挑戦しています。その核となる「ヒダクマ」の織りなす価値創造の形とは。(中畑 陽一)

■ヒダクマとは何か

当時飛騨市役所企画課だった竹田慎二氏が、株式会社トビムシの松本剛氏(現ヒダクマ代表取締役)、株式会社ロフトワークの林千晶氏(現ヒダクマ取締役会長)らとつながり、2015年に3者合弁で「株式会社飛騨の森でクマは踊る」通称「ヒダクマ」がスタートしました。

大きな課題は、広葉樹を苦労して育てても、90%以上が付加価値が低いまま飛騨市の外に流れてしまう事でした。育てるべき木を見極めて残しながら、飛騨市に多い残りの「小径木」の価値をいかに高めるのか、そこにプロジェクトの成否がかかっています。

飛騨の広葉樹の森
nakahata_yoichi

中畑 陽一(オルタナ総研フェロー)

静岡県立大学国際関係学部在学時、イギリス留学で地域性・日常性の重要性に気づき、卒業後地元の飛騨高山でタウン誌編集や地域活性化活動等に従事。その後、デジタルハリウッド大学院に通う傍らNPO法人BeGood Cafeやgreenz.jpなどの活動に関わり、資本主義経済の課題を認識。上場企業向け情報開示支援専門の宝印刷株式会社でIR及びCSRディレクターを務め関東・東海地方中心に約70の企業の情報開示支援を行う。その後、中京地区での企業の価値創造の記録としての社史編集業務を経て、現在は太平洋工業株式会社経営企画部にてサステナビリティ経営を推進。中部SDGs推進センター・シニアプロデューサー。

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..