広葉樹が握る次世代の価値(2)
日本の森林の半分を占めるにも関わらず、多様であるがゆえに活用が難しい広葉樹。岐阜県飛騨市は、その広葉樹を中心としたまちづくりに、あえて挑戦しています。その核となる「ヒダクマ」の織りなす価値創造の形とは。(中畑 陽一)
■ヒダクマとは何か
当時飛騨市役所企画課だった竹田慎二氏が、株式会社トビムシの松本剛氏(現ヒダクマ代表取締役)、株式会社ロフトワークの林千晶氏(現ヒダクマ取締役会長)らとつながり、2015年に3者合弁で「株式会社飛騨の森でクマは踊る」通称「ヒダクマ」がスタートしました。
大きな課題は、広葉樹を苦労して育てても、90%以上が付加価値が低いまま飛騨市の外に流れてしまう事でした。育てるべき木を見極めて残しながら、飛騨市に多い残りの「小径木」の価値をいかに高めるのか、そこにプロジェクトの成否がかかっています。