SDGs、自社の取り組みの社会的評価を確認する

■ニック木村の「今さら聞けないサステナビリティ」(23)

「SDGs」「ESG」「CSR」。サステナビリティを取り巻く状況は日々変化し、新たな用語も増えた。そもそもサステナビリティ領域は、どこから理解すれば良いのだろうか。カシオ計算機で約12年間サステナビリティの管理職を務めた「ニック木村」こと木村則昭・オルタナ総研フェローが「今さら聞けないサステナビリティ」の疑問にお答えする。

SDGs、何から始めたらいいのか分からない(3)ーーニック木村の「今さら聞けないサステナビリビリティ」(22)はこちらから

自社の取り組みを発信することが重要だ

【Q12】自社のCSRやSDGsへの取り組みが正しく行われているかどうかは、どのように確認するのでしょうか。 

【A12-1】  自社のCSRやSDGsの活動のレベルが、目指す「あるべき姿」と比べてどうなのか、同業他社などと比べてどうなのか、客観的に評価・確認することは、更なる改善を図る上でも重要です。その具体的方法について今回と次回の2回に分けて説明していきます。

前章の【A12-3】、【ステップ5】報告とコミュニケーションを行う」で既に触れたように、自社のSDGsへの取り組みをステークホルダーに発信することが重要です。そうすることで、ステークホルダーから自社の取り組みに対する客観的な評価を受けることができます。

それによって、取り組みが自己満足に陥っていないか、方向性に間違いがないか、取り組みはステークホルダーの期待にどの程度応えているかなど、自社の視点だけでは充分に捉え切れない点について確認を行うことができるのです。

評価を確認する方法としては、ステークホルダー・エンゲージメントや、各種インデックスを用いることなどが考えられます。 

ステークホルダー・エンゲージメント
エンゲージメントとは、婚約指輪のことをエンゲージ・リングと言いますが、あのエンゲージ(婚約する)と同じ意味です。つまり、お互いに固い約束を交わし合うことです。 

ステークホルダー・ダイアログという言葉も以前はよく使われていましたが、これはステークホルダー・エンゲージメントの一形態である「対話」を意味します。対話するだけでは不充分、対話の結論に対して互いにコミットし合うことが重要という意味もあって、今ではもっぱらエンゲージメントを重要視しています。

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kimuranoriaki

木村 則昭(オルタナ総研フェロー)

1982年上智大学外国語学部英語学科卒業後、2021年5月まで39年間カシオ計算機株式会社に勤務。初めの約27年間はシステム商品の海外営業を担当。その間オーストラリアに約2年、米国に約4年の駐在を経験。その後の約12年間はCSR推進室(後にサステナビリティ推進室)室長としてコンプライアンス及びCSR(サステナビリティ)のグループ内への浸透を推進。グローバルコンパクトの原則に基づき、ISO26000をガイダンスとして、特に「人権」を重点課題として取り組みを進めた。また、2015年にCSRリーダー組織を立ち上げボトムアップによるCSRのグループ内浸透を図った。 2018年度よりオルタナが主催するサステナビリティ(SUS)部員塾の講座「CSR検定3級試験過去問演習と解説」の講師を担当。特定非営利活動法人環境経営学会理事。

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