■ニック木村の「今さら聞けないサステナビリティ」(22)
「SDGs」「ESG」「CSR」。サステナビリティを取り巻く状況は日々変化し、新たな用語も増えた。そもそもサステナビリティ領域は、どこから理解すれば良いのだろうか。カシオ計算機で約12年間サステナビリティの管理職を務めた「ニック木村」こと木村則昭・オルタナ総研フェローが「今さら聞けないサステナビリティ」の疑問にお答えする。
SDGs、何から始めたらいいのか分からない(2)ーーニック木村の「今さら聞けないサステナビリビリティ」(21)はこちらから
【A11-3】今回は「SDGコンパス」についての最後、ステップ4〜5について説明します。
【ステップ4】SDGsを経営へ統合する
設定したSDGs目標やKPIを、自社の中核事業に統合し、ターゲットをあらゆる部門・社員に組み込むことが根本的に重要です。
①経営トップのリーダーシップで進める
「アウトサイド・イン・アプローチ」や「バックキャスティング」に基づいて設定した目標や、従業員参加で設定したKPIの実効性を担保し、企業に定着させるには、経営トップのコミットメントが不可欠です。自社の「あるべき姿」「ありたい姿」を実現するために、経営トップの強いリーダーシップが求められます。
②パートナーシップで取り組む
SDGsのゴール17が「パートナーシップで目標を達成しよう」であるのは、他の16の課題全てが一つの組織が単独で解決できるような課題ではないからです。一企業として取り組むべきSDGs目標を設定できたとしても、自社単独で解決できる課題は少なく、多くの場合、共通の目標を持つパートナーと協業する方が効果的な活動になりえます。「SDGsコンパス」にはパートナーシップのタイプとして次の3つが紹介されています。