■フロン管理の現場からーRaMS導入事例紹介ー(4)
「20世紀最大の発明の一つ」とも言われたフロン(CFC:クロロフルオロカーボン)は、それまで有毒な冷媒を使っていた冷凍空調機に大きな進歩をもたらした。ところが、そのフロン類がオゾン層を破壊するメカニズムが発見され、世界で規制が進む。日本でも2020年4月施行の改正フロン排出抑制法で、罰則が大幅に強化された。企業はどのようにフロン類を管理していけば良いのか。積極的に課題解決に取り組む企業を紹介する。(聞き手・香川希理=弁護士:企業法務とフロン排出抑制法が専門、記事・山口勉=オルタナ編集部)
第4回:三菱マテリアル株式会社 高機能製品カンパニー 若松製作所
技術部保全課 高橋 誠 課長
聞き手:香川 希理 弁護士(香川総合法律事務所代表)
三菱マテリアルは銅を中心とした非鉄金属分野を中心に扱う、日本を代表する企業の一つだ。自動車関連、エレクトロニクス関連、金属材料など製品は多岐にわたる。創立は1871年(明治4年)で、三菱グループのルーツである九十九(つくも)商会が起源だ。 2021年には創立150周年を迎えた。従業員数は連結で2万7162人 (2021年3月末現在)。
若松製作所の創業は1937年(昭和12年)で、非鉄金属圧延業の会社としてスタートした。現在の従業員は約500人。前身の三菱伸銅が2020年4月に合併し、現在に至る。同製作所は銅および銅合金の製品を製造している。自動車向け端子材や、半導体デバイスのリードフレーム材のリーディングカンパニーだ。(連載・PR)
改正フロン排出抑制法にらみ「RaMS」を導入
―――脱炭素やフロン削減にはどう対応していますか。
本社経営戦略部地球環境室が全社の取り組みを推進しています。2021年11月26日に以下の目標を発表しました。温室効果ガス排出量を国の指針に基づき、2013年を基準として2030年までに47%削減すること。さらに2045年までにカーボンニュートラルを目指します。それをもとに部署ごとに改善していくことになります。