世界最大のパーム油輸出国であるインドネシアは4月28日、パーム油の輸出を一時的に禁止する政令を施行した。当初、「禁輸は総輸出量の約5割」としていたが、27日に範囲を約9割に拡大した。パーム油は加工食品や洗剤などに幅広く使われており、国際価格の高騰は必至だ。(オルタナ編集部=吉田広子、池田真隆、長濱慎、山口勉)

パーム油の原料・アブラヤシの実

「国内需要とのバッティング」という新たな課題

インドネシア政府は4月27日、パーム油の禁輸を定めた「商業大臣規定2022年第22号」を発表し、28日から施行した。

輸出禁止の対象となったのは3種類だ。パーム油の「原油(CPO)」と、CPOを脱酸・脱色・脱臭加工した「RBDパーム油」、RBDパーム油からオレイン酸を抽出した「RBDパームオレイン」だ。

当初は「RBDパームオレイン」だけを輸出禁止対象とする意向を示していたが、それだけでは国内の安定供給につながるのかとの声が国内で上がった。そうした声を受けて政府は急遽、27日に禁輸比率を大幅に上げる政令を施行した。

人口が約2.7億人(日本の倍以上)にまで増えた同国では、パーム油の国内価格が高騰したことで国民からは不満の声が相次いでいた。パーム油は1980年代から児童労働や熱帯雨林の伐採が問題になっていたが、今回はインドネシアの人口増と、生活の向上によって、「国内需要とのバッティング」という新たな課題が浮き彫りになった。

世界中でパーム油の需要が増え、取り合いに