都市に森をつくる、日本が先導する「木造都市革命」

記事のポイント


  1. 日本発の「木造都市革命」が世界から注目されている
  2. 地球人口の過半が都市に暮らす中、都市の環境問題の改善は急務
  3. CO2を吸収して、耐火性に優れた新技術を紹介する

「木造建築ルネサンス」とも言うべき新たな都市デザインの潮流が、いま世界中で加速している。ヨーロッパを中心に高さ85メートル、20階近い高層ビルも木造で建てられ、高層ビルは鉄筋コンクリートでなければ不可能という20世紀の常識が更新されつつある。(竹村 眞一・京都芸術大学教授/オルタナ客員論説委員)

もとより木はCO2を吸収・固定し、それを数十年〜百年以上もつ木造建築として保存すれば、地球の炭素循環にも大きく資する(脱炭素・気候変動対策)。

これが都市建築の新たなスタンダードとなれば、いまや地球人口80億の過半が都市に暮らし、ほとんど地球環境問題イコール「都市環境問題」である(=都市の営みが資源・エネルギー消費と炭素排出の大半を占める)という現状からして、ほとんど「地球のOS更新」と言っても過言ではないインパクトを与えるだろう。

これは「サステナビリティ」(持続可能性)という概念を別の次元でアップデートするものでもある。

shinichitakemura

竹村 眞一(京都芸術大学教授/オルタナ客員論説委員)

京都芸術大学教授、NPO法人ELP(Earth Literacy Program)代表理事、東京大学大学院・文化人類学博士課程修了。人類学的な視点から環境問題やIT社会を論じつつ、デジタル地球儀「触れる地球」の企画開発など独自の取り組みを進める。著者に『地球の目線』(PHP新書)など

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