*この記事は「サステナ経営検定(サステナブル経営/CSR検定)2級公式テキスト2023年版(2022年11月30日発売)」から抜粋しています。テキストの購入はこちら サステナ経営検定についてはこちら
第2章: ESGの重要イシュー(課題)
2-3: サーキュラ―エコノミー
■プラの大量生産・大量消費・大量廃棄
2019年の年間プラスチック生産量は世界で4.6億トン、プラスチック廃棄物発生量は3.5億トンとなり、それぞれ2000年から倍増した。リサイクルされるプラスチック廃棄物は9%に留まり、19%が焼却、約
5割が埋め立て、残りの22%が不適切な投棄や野焼きされるなど、自然環境中に流出していると見られる。
OECDの調査(2022年)によると、すでに河川湖沼に1億900万トン、海洋に3000万トンのプラスチックが累積した。海洋流出だけでも、現状の年間1100万トンから2040年に2900万トン強へと、これからの20年で3倍近くまで拡大する見込みだ。
流出したプラスチックは半永久的に分解せず、マイクロプラスチックの粒子として環境中に残り続ける。マイクロプラスチックの摂取や、プラスチック製の漁網が絡みつくことなどにより、海洋生態系が深刻な影響を受けている。
過去に自然界に流出した有害化学物質を吸着する性質があるマイクロプラスチックは、大気や飲料水などにも含まれており、人類も広く摂取していることから、人体への悪影響も懸念される。
プラスチックは、生産過程を中心にCO₂などの温室効果ガスを発生させており、大量生産が続けば、その量は2050年に累積56ギガトンに達する。
これは、産業革命前の地球の平均気温の上昇を1.5度未満に抑えるために残された「カーボンバジェット」(今後排出できるCO₂の量)の10〜13%を占め、プラスチックは気候変動の主要な要因となりつつある。
*この続きは「サステナ経営検定(サステナブル経営/CSR検定)2級公式テキスト2023年版」に掲載しています。テキストのご購入はこちら