記事のポイント
- 金融庁がESG投信の取引業者向けの監督指針を改正、グリーンウォッシュ排除
- 該当しない商品の「SDGs」や「サステナブル」などのアピールを禁止した
- 該当する商品にも目論見書でESGについての具体的内容などの記載求める
金融庁はこのほど、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」を一部改正し、ESG投信の取引業者向けの指針を加えた。ESG投信の「グリーンウォッシュ」排除の方針を明確にした。新しい指針ではESG投信に該当しない商品の「SDGs」や「サステナブル」などのアピールを禁止した。ESG投信に該当する商品に対しては目論見書などでESGについての具体的な内容などの記載を求めた。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

監督指針の改正では、新たに「ESG考慮に関する留意事項」を追加した。ESG投信の範囲や開示などのあり方を示す
指針では「ESG投信」の定義について、「①ESGを投資対象選定の主要な要素としており」かつ「②交付目論見書の『ファンドの目的・特色』に①の内容を記載しているもの」とした。
具体的には、開示内容を充実させる。「投資家の誤認防止」「投資戦略」「ポートフォリオ構成」「参照指数」「定期開示」「外部委託」の項目を揃えた。
「投資家の誤認防止」ではESG投信に該当しない商品に対して、ESG投信と誤認させるような広告・宣伝を禁じる。ESGも考慮する投信にも目論見書や販売資料、広告などで「ESGを投資対象選定の主要な要素にしていると投資家に誤認させるような説明になっていないか」を確認するよう求めた。
23年3月末までに設定された投信で名称や愛称にESGに関連する用語が含まれる場合、目論見書で「ESGを投資対象選定の主要な要素」にしていない旨の記載が必要となる。ESGに関連する用語も「できる限り速やかに」除外するように促す。
「投資戦略」では目論見書の「ファンドの目的・特色」でESGの具体的内容や運用プロセス策定の理由やリスクなどの説明、創出するインパクトの内容などの説明を求めた。
新しい指針は3月31日から適用を開始した。