記事のポイント
- 欧州や米国で「修理する権利」を求める動きが加速してきた
- 消費者が購入製品の長寿命化を追求できるようにする考え方だ
- この動きに関連してリペアボーナス(修理補助金)を導入する国も
欧米で「修理する権利」を求める動きが盛んだ。消費者自身が購入製品の長寿命化を追求できるようにする考え方で、環境負荷の低減にもつながる。具体的にはメーカーに対して修理市場の開放、修理情報や部品の提供、計画的陳腐化の防止といった対応を求める。(新語ウォッチャー=もり ひろし)
ただスマホなど修理行為が安全性を脅かす製品もあるため、権利推進者とメーカーとの間で開放の度合いに関する攻防も続いている。
この権利に関連して、いくつかの国で「リペアボーナス」、つまり修理補助金の制度を導入する動きも現れた。
フランスは2022年12月に制度を導入。認定修理店で修理を行った場合、その修理代金の一部が割引される。
割引額は製品カテゴリーごとの定額となっており、最大額であるパソコンの場合で一製品あたり45ユーロ(執筆時約6,500円)となっている。
同様の仕組みはオーストリアでも始まっている。もともとウイーン市が2020年から独自の制度を開始した。
2022年4月には、同国政府が全国的な制度を始めた。この制度の場合、一製品につき修理費用の50%、上限200ユーロ(同29,000円)の補助を受けることができる。