記事のポイント
- 水産関係のコンサルが国内の水産業界で初の「Bコープ認証」を取得した
- 取得したのは、東京・千代田区に本社を置くUMITO Partnersという会社だ
- 漁業者・企業・シェフ・自治体などと連携し、サステナブルな漁業を目指す
水産関係のコンサル企業UMITO Partners(東京・千代田、村上春二社長)はこのほど、国内の水産業界で初のBコープ認証を取得した。同社は、漁業者・企業・シェフ・自治体などと連携し、「サステナブルな漁業」を目指す。科学的知見からも漁業関係者に助言を行う。(オルタナ編集部・下村つぐみ)

同社は持続可能な漁業や養殖漁を推進するため、生産者や漁業者へのコンサルティング事業を行う。
具体的には、MSC(海洋管理協議会、海のエコラベル)やASC(水産養殖管理協議会、水産養殖のエコラベル)など水産国際認証の取得支援、漁業者・漁協向けのオーダーメイド型ワークショップやサステナブルなレストランとのマッチングサービスなどだ。
Bコープ認証とは、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証で、同社は4月24日に取得した。日本において同社は23社目の認証取得企業となった。
村上社長は福岡県出身。サンフランシスコ州立大学を卒業後、パタゴニア日本支社、国際環境NGO、シーフードレガシー取締役副社長/COOなどを経て、2021年にUMITO Partnersを設立した。
同社の強みは、社内に「科学チーム」が存在することだ。日本の漁業の現場では、資金や人材の不足から調査が十分にできない場合が多い。同社は、コンサルティング分野の中で科学的な根拠に基づいた助言を行うことでそれをカバーする。
国際水産認証によるブランディングにも力を入れる。岡山県邑久町のカキ養殖は同社の支援により、カキの垂下式漁業としては世界初のMSC認証を取得した。
村上社長は「漁業者が直面している課題は現場だけではなく、社会全体の課題だ。だからこそ、私たちが新しい循環経済を生み出し、社会にポジティブなインパクトを与えていきたい」と抱負を語った。