年の瀬も押し迫った昨日、こんな本を読みました。「人に必要とされる会社をつくる」という本です。
筆者の松浦信男さんは、三重県多気町(伊勢市の隣)にある「万協製薬」という製薬会社の社長です。
「どれだけ社会に必要とされる会社になるか」
「社員をいかに大切にできるか」
--がテーマの本ですが、彼がその必要性を身をもって知らされたのは、阪神大震災がきっかけです。
もともと万協製薬は神戸市長田区にありました。阪神大震災で社屋は全壊し、松浦さんはすぐに会社を立て直そうとするのですが、社員も、取引先も、銀行も、それを助けてくれなかったそうです。
なぜ、誰も自分と一緒に頑張ろうとしないのか。誰も手を差し伸べてくれないのか。
それは「この会社が社会に必要とされていなかったから」ということを松浦さんは悟ります。
当時の彼の原動力は、「復讐心」だったといいます。「たとえこのまま野垂れ死にするにせよ、その前に私をこんな目に合わせた世の中に復讐してからでないと、死んでも死に切れないと思ったのである」。
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