海中の漁網を家具に: スペイン新興企業が漁師7千人と協働

記事のポイント


  1. 海中の漁網を回収し、家具にアップサイクルするスペイン新興企業がある
  2. 「プラスチックのない海」を目指し、企業120社と漁師7千人と協働する
  3. 地中海を中心にこれまでに回収したプラ廃棄物は500トンを超える

スペイン南部のスタートアップ、グラビティ・ウェーブは、海に沈む漁網や漁具などのプラスチックを回収し、デザイン性の高い家具にして販売する。「プラスチックのない海」を目指すミッションの実現に、企業120社と漁師7千人が動いた。これまでに回収したプラ廃棄物は500トンを超える。(オルタナ副編集長=北村佳代子)

グラビティ・ウェーブ共同創業者
アマイア・ロドリゲス(右)さんとフレン・ロドリゲスさん(左)

地中海は、世界で最もプラスチックが集中する海だ。プラ廃棄物の海洋投棄量は年間1200万トンに上る。2020年設立のグラビティ・ウェーブは、その地中海に面したスペイン南部の町・カルペに拠点を置く。

創業のきっかけは、海とサーフィンを愛するアマイア・ロドリゲス共同創業者が、旅先の東南アジアでプラごみの散らかるビーチを目にし、大きな衝撃を受けたことだ。帰国後、彼女は、起業家精神を学んでいた弟フレン・ロドリゲス氏とともに、海洋プラ汚染の解決に向けた行動を起こす。「プラスチックのない海」を目指す旅の始まりだ。

同社は海中に最も多く眠るプラ廃棄物の一つである漁網を中心に、地中海・大西洋・カンタブリア海に眠るプラ廃棄物を76カ所で回収・洗浄し、公共建築材やデザイン性の高い家具などの価値ある製品へと生まれ変わらせる。

グラビティ・ウェーブはこれまでに500トン超の海中プラ廃棄物を回収

■ブロックチェーン技術の活用でトレーサビリティや透明性も担保
■「プラスチックのない海」を目指すムーブメントを起こす

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北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

オルタナ輪番編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部、2024年1月からオルタナ副編集長。

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