問われる「リプレゼンテーション」、多様性をどう描くか

記事のポイント


  1. 「リプレゼンテーション(描かれ方)」への注目が集まっている
  2. 多様性をどう反映するか、当事者の視点を反映できているかが問われている
  3. 一般メディアだけではなく、企業も自社媒体でどう表現するかが重要だ

DEI(多様性・公平性・包摂性)の重要性が高まるなか、「リプレゼンテーション(描かれ方)」への注目が集まっている。その対象は、ドラマや映画にとどまらない。企業の広告やウェブサイト、社内報などでも、障がい者やLGBTQ、外国籍の人など、多様な立場の人たちをどのように描くか、当事者の視点を反映できているかが問われている。(オルタナ輪番編集長=吉田 広子)

■アカデミー賞は「多様性の反映」を重視

リプレゼンテーションとは、「代表」「表象」「上演」といった意味の英語だ。特に「マージナライズドグループ(社会的に周縁化され、過小評価されてきた集団)」が、メディアに反映されているか、また、その表現方法を指す場合が多い。

例えば、障がいがある人、LGBTQ、外国にルーツがある人といった特定の属性を持つ人たちが、ステレオタイプに陥っていないか、あるいは過度に美化されていないかといった視点が問われる。描き方次第で、差別や偏見を助長することもあれば、理解や共感を広げることもあり、表現には慎重さが求められる。

アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は2024年から、DEIを推進するため、アカデミー賞作品賞の新たな選出基準を適用した。例えば、「主演または主要な助演俳優のうち、少なくとも1人がアジア系・ヒスパニック系・黒人・先住民など、歴史的に過小評価されてきたグループに属すること」などを求める。

AMPASは、「『リプレゼンテーション』と『インクルージョン』に関する新基準は、映画を観に行く観客の多様性をよりよく反映するために、スクリーンの内外で公平な表現を奨励するように設計した」と説明している。

(この続きは)
■ 障がい者の活躍を強調するのはNGか
■ つくり手側の多様性がカギを握る

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yoshida

吉田 広子(オルタナ輪番編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。2025年4月から現職。執筆記事一覧

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キーワード: #ビジネスと人権

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