記事のポイント
- 調査によると、日本の中堅企業の女性幹部登用率は約2割と微増も、世界水準を下回った
- 「女性幹部ゼロ」企業も約3割で、世界平均の約5倍と遅れが際立つ結果に
- 多様性を経営成果に直結する戦略と位置づけ、本気度を高めることが重要だ
国際会計組織グラントソントンの日本メンバーファームである太陽グラントソントンはこのほど、経営幹部における女性登用率の調査結果を公表した。調査は、非上場企業を中心とする世界35カ国の中堅企業を対象としたもの。それによると、日本では前年比微増となったものの、女性幹部の登用率は約2割にとどまった。さらに経営幹部に一人も女性を登用していない中堅企業は約3割にのぼり、グローバル平均の約5倍と、遅れが際立った。(オルタナ編集部・川原莉奈)

女性活躍推進法の施行から4月で10年を迎えるなか、経営幹部における女性登用の実態が明らかになった。
調査対象となった世界35カ国(グローバル)の中堅企業の経営幹部における女性登用率は、前年比1.1ポイント減の32.9%となった。近年の傾向と比べると、世界的に女性登用の動きが鈍化していることがうかがえる。
一方、日本は前年比3.1ポイント増の21.5%と、調査開始以来初めて2割を超えたものの、グローバル平均と比べると依然として低水準にある。
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顕著な差が出たのは、経営幹部に一人も女性を登用していない中堅企業の割合だ。
グローバルでは5.7%(前年比1.6ポイント増)だったのに対し、日本は27.9%(前年比4.3ポイント減)だった。過去20年で改善傾向にはあるものの、なおグローバル平均の約5倍と高水準だ。
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さらに調査では、ジェンダー平等施策の導入状況と業績の相関も示された。
グローバルにおいて、新規でジェンダー平等施策の導入を検討している中堅企業の73.0%が「過去12カ月で売上高が5%超増加した」と回答した。一方、施策の一部廃止を検討している企業で同様の増収を達成した割合は40.1%にとどまる。
なお、ジェンダー平等施策を緩和・廃止した企業について、調査を実施した太陽グラントソントンは「直接的な動機は把握できない」と説明する。一方で、米国ではトランプ政権が反DEI政策を推し進めており、その影響を受けた米国企業が含まれている可能性がある。
グラントソントンはこれらの結果を受け、企業に対して「多様なリーダーシップが生む経営成果を明確に示すこと」を提言する。
「多様性を単なる理念ではなく、経営成果に直結する戦略として位置づけることで、組織全体の本気度を高め、持続的な成果につなげることが重要だ」としている。
【調査概要】
・調査期間:2025年7月~10月
・調査対象:世界35カ国4265社の中堅企業ビジネスリーダーまたは経営トップ
(国や調査によって「中堅企業(Mid-market / Mid-sized firm)」の定義は異なり、売上高で定義する場合と従業員数で定義する場合がある。日本からは、従業員数100名以上1000名未満の全国の中堅・中小企業から140社の意思決定権を持つ経営層が回答した。)
※本記事内の「経営幹部」には、次の役職を含む:
最高経営責任者(CEO)/常務取締役、最高執行責任者 (COO)、グループ会社責任者(法務・総務)、最高財務責任者 (CFO)、最高情報責任者 (CIO)、最高技術責任者 (CTO)、人事本部長、最高マーケティング責任者 (CMO)、チーフ・サステナビリティ・オフィサー、チーフ・コマーシャル・オフィサー、チーフ・コミュニケーション・オフィサー、会長、パートナー、共同出資者、共同経営者 等。



