記事のポイント
- オアシス・マネジメントのセス・フィッシャーCEOがオルタナの独占取材に応じた
- その中で、同社は花王のサプライチェーン上のリスクを改めて指摘した
- 花王がグローバル市場で戦うにはESGリスクが足かせになると懸念する
香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」のセス・フィッシャー創業者兼最高投資責任者(CIO)がこのほど、オルタナの独占インタビューに応じた。花王の株式を12.5%所有する同社は、花王のサプライチェーン上に、ESGやサステナビリティ面のリスクがあると指摘していた。(聞き手:オルタナ輪番編集長=吉田広子・北村佳代子・池田真隆)

セス・フィッシャー氏
セス・フィッシャー(Seth Fischer)氏:
オアシス・マネジメント 設立者 兼 最高投資責任者(CIO)
米ハイブリッジ・キャピタル・マネジメント(HCM)で7年間、アジアの投資ポートフォリオを運用して成功を収めた後、2002年にオアシス・マネジメントを設立。アジア全体におけるコーポレート・ガバナンス改革を提唱し、経済及び投資のパネリストとしての講演も行う。HCM入社前は、イスラエル国防軍に所属。1993年に米イェシーバー大学で政治学の学士号取得。婦人科がんの予防・啓発・治療支援を目的とするカレン・リョン基金(香港)理事、カーメル・スクール(香港)理事、オーヘル・レア・シナゴーグ管理委員会(香港)副会長。ヘブライ大学(イスラエル)で2002年開設したオーマン・フィッシャー法律・経済・公共政策センターの共同創設者。
オアシス・マネジメントは香港に本社を置く国際的な投資運用会社。日本、韓国、香港のスチュワードシップ・コードの署名者。日本のコーポレート・ガバナンス協会のメンバー。
■「花王のサプライチェーンの実態を明らかにしたい」
――オアシスからの請求に基づき、花王は4月30日、臨時株主総会を開催します。今回、臨時株主総会の開催を求めた狙いを聞かせてください。
私は花王のESGを巡るビジネス慣行について、真に独立した調査を行いたいと思っています。具体的には、パーム油・パーム核油、紙・パルプのサプライチェーンにおける慣行についてです。
花王の開示内容が真実なのか。サプライチェーン上に森林破壊・人権等のリスクがあるのか。その実態を明らかにしたいのです。
私が目指しているのは、誰でも閲覧できる、完全に独立した調査を行い、サプライチェーンの実態を検証することです。花王は、調達基本方針などの各種方針を遵守していると主張していますが、その主張には矛盾が散見され、実際は遵守していないかのように見えます。
――花王に「独立した調査者の選任」を提案しましたが、オアシスがこの提案を通じて最終的に達成したいことは何ですか。
私たちは、花王の最大の株主です (2026年3月18日時点で12.52%保有)。私たちは花王と最も大きな利害関係を有しています。花王が「ESGで世界をリードする企業だ」と言うならば、私もそうであってほしいと願っています。であれば、私たちの株主提案を支持し、しっかりと証明してほしいのです。
私が、株主提案を通じて最終的に目指しているのは、花王が持続可能なビジネスを通じて長期的な成長を実現することです。
■「森林破壊や人権などで高いリスクがある」
■「関係を維持しながら改善を求めるプロセスで良いのか」
■「改善の証拠は一切見当たらない」
■情報発覚のきっかけは内部通報だった
■特定の市場から締め出されるリスクを抱えている
■調査者の所属事務所はパーム油生産地での実績も
■花王の事例が、他社の業務改善の教訓に

