2月から5月にかけて「5のつく日」にJCBカードを使うと、買い物1回につき1円が東日本大震災などの復興支援に寄付される『「5」のつく日。JCBで復興支援』。子どもたちが職業・社会体験できる街「キッザニア」を企画・運営するKCJ GROUPは、2013年から連携している。2月から5月の『「5」のつく日。』に、子どもたちがキッザニア内の電子マネーを使うと、利用1回につき、両社がそれぞれ1円を東日本大震災の復興支援金として拠出する仕組みだ。電子マネーを通じた社会貢献プログラムは、子どもたちにどんな学びの機会を提供しているのだろうか。担当者の思いを聞いた。(ライター・瀬戸義章)
飛行場のゲートを模した入場口をくぐると、そこには子どものための「街」がある。お菓子工場、ハンバーガーショップ、ビューティーサロン、トラベルセンター、劇場、新聞社、警察署など、さまざまな仕事を体験できるパビリオンは60以上。

働けば専用通貨「キッゾ」が手に入り、デパートでの買い物やスポーツクラブのレッスンに使うことができる。KCJ GROUPが企画・運営するキッザニアは、「学び」と「遊び」が融合した「エデュテインメント」の街だ。
■ 本気の仕事体験で社会を学ぶ
キッザニアのオフィシャルスポンサーであるJCBは、キッザニア内で「電子マネーセンター」を出展している。稼いだキッゾをプリペイドカードにチャージしたり、残高照会やクーポンの抽選ができる施設だ。
発行される「e-KidZo(イーキッゾ)カード」はプラスチック券面の上にJCBロゴが刻印され、まるで「大人の持ち物」のようなデザインだ。電子マネーセンターには、「カードをつくりにきました!」と子どもたちが行列をつくっている。
「こうした通貨の仕組みが『本物さ』をもたらします」と、KCJ GROUP ブランディング部広報グループアシスタントマネジャーの鈴木英理子さんは語る。
「働いて得たり、銀行で数えたり、商店街で使ったりと、キッザニア内に流通する『お金』があることで、子どもたちは真剣になります。単なるごっこ遊びではなく、本気の仕事体験・社会体験になるのです。子どもにとってキッザニアは夢の街かもしれませんが、それはファンタジーの夢ではなく、リアルな現実社会に根ざした夢を描く場所なのです」(鈴木さん)

「給料」をもらえることは、お金の使い方の学びにもつながっている。働く体験で稼げるのは5~8キッゾ。「デパート」パビリオンの商品は50キッゾからになっているので、子どもたちは働いて、貯めて、本当に欲しいもののために使うようになる。
保護者からは「子どものムダづかいが減った」といった声が数多く届くそうだ。また、東京学芸大学松川誠一教授監修の調査によれば「自分の夢や目標に向かって努力したり、生活や勉強の仕方を工夫したりしている」という子どもが、キッザニアの来場前後で有意に増加している。
JCBブランドマーケティング部マーケティング統括グループの瀨村優美さんは、キッザニアは優れた金融教育を提供していると言う。

「未成年でも持てるプリペイドカードやデビットカードはどんどん普及しており、以前と比べて、カードを持つまでの時間的な距離が短くなってきており、電子決済が当たり前になりました。よく分からないから怖いとカードを遠ざけるのではなく、自分で考えて正しいお金の使い方を学んでいける、キッザニアは金融教育の最高の場所のひとつだと思います」(瀨村さん)
■子どもが社会貢献できる日