■子どもが社会貢献できる日
2013年から、キッザニアの電子マネーに「社会貢献」の仕組みが加わった。2月から5月の「5のつく日」(各月の5日・15日・25日)に、e-KidZoカードを使うと、利用1回につき、JCBとKCJ GROUPがそれぞれ1円を東日本大震災などの自然災害の被災地の復興支援金として拠出する。
もともとJCBは『「5」のつく日。JCBで復興支援』と題した取り組みを、2011年から続けてきた。「5のつく日」に買い物でJCBカードを使えば、JCBが1円寄付をする。今年で7年目を迎えており、寄付総額は3億1千万円にも上る。
KCJ GROUPも早くから被災地復興支援活動を展開しており、JCBとの協働を模索し、両社のコラボレーションによるキッザニア版『「5」のつく日。』が始まった。

実際に子どもたちと接するKCJ GROUPパビリオングループの石坂衣里ユニットマネジャーは、とても素直な反応があると話す。
「キャンペーンポスターなどを見てもらいながら、『カードを使うと困っている人のために役立ちます』と声かけしているのですが、子どもたちは意義をすぐに理解してくれます。中には、カードを使うたびに戻ってきて、『今ここで使ってきたよ。全部で何円寄付できたんだ』と報告してくれる子もいます。5のつく日は通常と比べて10%ほど利用率が高まりますね」(石坂ユニットマネジャー)
子どもはただの保護対象ではない。ひとりの人間として、役に立ちたい、力になりたいと考えている。
ある日、9歳くらいの女の子に『「5」のつく日。』の案内をしたとき、こう喜ばれたことがあるという。

「福島から来ました。子どもだから、できることがほとんどないと思っていました。でも、ここでわたしの福島に役立つことができて、うれしいです」
「カードを使うだけで復興支援ができる」という『「5」のつく日。』の敷居の低さは、思いはあっても何をすればいいか分からなかった子どもたちにも、支援を経験する機会を提供している。
「キッザニアでは、電子マネーという社会インフラを学ぶだけではなく、小さな時から助け合いの心を育む、そのお手伝いがJCBとしてできていると感じます」(瀨村さん)
『「5」のつく日。JCBで復興支援』の中心テーマのひとつは、「未来を担う子どもたちに寄り添い、元気にする取り組み」だ。昨年は、不登校児のためのフリースクール事業や障がいがある子どもたちへのアート活動などを支援した。震災後、仙台市の不登校児数が増加したが、その背景には震災によって経済環境が悪化したことが起因しているケースがあるという。障がい児への支援も行き届きにくい現状もある。
KCJ GROUPの鈴木さんは「辛く悲しい思いを抱えている子どもたちがたくさんいますから、みんなを勇気づけるような活動に役立てていただきたいと強く思います。支援先はどこも本当に必要としているところばかりですから、これからも困っているひとに手を差し伸べていってほしい」と期待を込めた。
『「5」のつく日。』過去の掲載記事
◆ コラム「5」のつく日、JCBで東北復興支援 [藤解 和尚]